イタリア在住一日本人 ~落書き~

イタリアに本格的に在住して、早10年。
イタリア人と家庭を持ち、イタリアの会社に就職して、気が付くとイタリア人との関係の中だけの生活となってしまっている自分に、ふとした時、その現実がとても不思議な事のように感じることがあります。

でもいくらイタリアに長く暮らしていても、私は日本人
あたり前の事だけれど、これから何十年とイタリアで生活したとしても日本人の私はいつまでも日本人。

やはりアイデンティティーと言うものは、私たちの根底に変わらずいつまでも流れているようで、海外に住み始めた事で、むしろ日本にいた時以上に、日本人である事を意識する自分がいます。

日本人が立派に活躍してくれている事を聞くと、まるで自分のことのように誇り高く、嬉しくなり、逆に、日本人が何か問題を起こしたり、不可思議な行動をしている事を聞くと、日本にいた時以上に悲しく、がっくりしてしまいます。そして、自分とはまったく関係のない人であったとしても、日本人の悪いニュースをイタリア人から聞くと、とても申し訳なく感じるのです。

以前にもこのブログで触れさせていただきましたが、私がこうして一日本人としてイタリアで幸せに暮らしているのも、ひとえに多くの日本人のイタリア先駆者が、イタリア人に愛されるような行動をとり続けた結晶だと思っています。

そして、イタリア人は日本人のステレオタイプとして、とても真面目で、行儀良く、働き者で、信頼のできる国民だと思ってくれていると感じます。

なので私も、日本人の誇りに傷をつけないよう、一日本人としての責任を感じながら日々生活しているつもりです。


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先日、日本の新聞で、「日本の大学生がフィレンツェの大聖堂に落書きをした」と言うニュースを読みビックリしました。
その翌日、夫からイタリアの新聞に載っている記事を見せてもらい、またその翌日、違う日本の大学生も同じような行動をしたことが発覚し、またまたその後は日本の教師も落書きしたとの事を、同じくイタリアの新聞で読みました。

イタリア国営Rai放送の夕食時のテレビのニュースでも取り上げられていました。

ボンチの同僚も、車のラジオのニュースで聞いてビックリしたそうです。
トモコ、日本人がフィレンツェのドゥオーモに落書きしたって本当なの?」と聞かれ、彼女も「まさか日本人がそんな事をするとは思っても見なかった!!!」と言ってショックを受けていました。

私にとってショックだった以上に、イタリア人にとっても相当ショックな出来事のようでした。。。

その後の日本の対応を聞いて、「やっぱり悪い事をした人は、償うのが当然だから、それが妥当だね。」と言って「それにしても、どうしてそんな事をしちゃったんだろうね。。。」と残念がっていました。

いつも思うのは、人間社会って「信頼」の積み重ねからなってきているように思います。
信頼が鎖のように繋がって関係が成り立っているのが、「ほんの小さな過ち」で今まで築いてきたものがすべて崩れてしまう事もあります。

「いたずら書き」

学校内、町のトイレ・・・日本国内でも良く見かける事です。

でも今回いたずら書きをした場所は海外の「世界遺産」
世界中で保護すべき場所に、軽い気持ちでこのような行動をとってしまった事は、たとえ小さないたずら心であったにしても、やはり「重大な過ち」であったのだと思います。

日本人が今までイタリアで積み上げてきた「信頼の鎖」を今回の事件でまた一つ信頼を落としてしまった事になりました。
残念です。

以前にもイタリアで「万引き」した日本人女性のニュースをイタリアの新聞で読んだことがあります。
その時のコメントは「まさかの日本人の万引き」と言ったものでした。

今までは、列車で乗車券確認の時などに、「日本人はいつもきちんとチケットを持っているから安心しているよ。」乗務員さんにと言ってもらった事も何度もあったのに、これからは信用されなくなるかもしれません。。。

世の中が悪い方に進んでいってる中、日本人も何か大切なモラルを見失ってきているように感じます。

人生って、大きな成功はしなくてもいい。
不器用でも、堅実で真面目で正直な人間でいたいものだ・・・と、常々思います。

日本人として、日本人がこれからも日本人の素朴さ、真面目さを失わずに、温かい国民でい続けてくれる事を願ってやみません。
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by tokogiappone | 2008-06-29 01:12 | 独り言
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