昨年の12月まで老人ホームで娯楽係として働いていた私。
色々事情があり、現時点では辞めさせていただいたため現場から離れてしまったものの、この仕事のお陰でかなりイタリアの懐メロ通になってしまいました。(汗・笑) 働いていた老人ホームは80~90歳代の方たちが大半だったため、私が懸命に学習したのは1920~50年代の曲たち。 やはり音楽と言うのは聴くだけで当時の記憶が蘇るためか、お年寄りたちもいつも音楽を聴くのを楽しみにしていました。 今日は私たちがレパートリーとしてよく歌っていた曲の一つを紹介したいと思います。 曲名は・・・ Non ti scordar di me. (ノン・ティ・スコルダル・ディ・メ~日本語訳:忘れな草)。 1935年に同名の映画のために書かれた曲で、かつての大テノール、ベニャミーノ・ジーリによって歌われ大ブレイクしました。 この曲、実はかつて私が声楽を勉強していた時にすでに耳にしていた曲で、イタリアの有名なソプラノ歌手テバルディさんが歌っていたCDを良く聴いていたため私にとっても思い出の曲でした。 当時は曲の意味もほとんどわからずに聴いていたのですが、イタリアでお年寄りたちの反応を見るにつけ、この曲の本当の心の意味を教えてもらったような気がします。 とても心に沁みるワルツのメロディーに切ない歌詞。 曲の中に人間的な心情をとても感じます。 お年寄りたちもこの歌にそれぞれの心の人を馳せて、ほぼ暗譜で一緒に口ずさんでくれた曲です。 *************** Non ti scordar di me 忘れな草 Partirono le rondini ツバメたちは飛び去ってしまった dal mio paese freddo e senza sole, 寒く、太陽のそそがない私の町から cercando primavere di viole, スミレの咲く春、 nidi d'amore e di felicità 愛と幸せの巣をを探し求めながら La mia piccola rondine partì 私の小さいツバメさんは旅立ってしまった senza lasciarmi un bacio お別れのキスもしないで senza un addio partì お別れのさよならも言わずに・・・ Non ti scordar di me; 私のことを忘れないでね la vita mia legata e a te 私の人生は今でもあなたに繋がっているのよ io t' amo sempre più 時が経つほど、よりあなたを愛しています nel sogno mio rimani tu 私の夢の中にいつもあなたがいます Non ti scordar di me 私のことを忘れないでね la vita mia legata e a te 私の人生は今でもあなたに繋がっているのよ c'è sempre un nido いつでもあなたの帰れる巣が nel mio cuor per te 私の心の中にあります Non ti scordar di me 私を忘れないでね *************** 残念ながらこの方も今は亡きとなってしまいましたが、イタリアの大テノール歌手パヴァロッティが歌っているのがあったので、良かったらここを→クリックしてお聴きください。 たぶんこの曲、男の人が愛する女の人に歌っている曲だと思いますが、私は女性の立場から訳させてもらいました。 というのも、老人ホームで一緒にお年寄りたちと歌いながら、彼らの心の中にはかつて愛した人はもちろん、きっと今は亡き家族や、なかなか会えない息子・娘たちに思いを馳せながら歌っているように見えたからです。 これからときおりイタリアの懐メロを紹介していきたいと思います♪ #
by tokogiappone
| 2011-01-31 00:16
| イタリア豆知識
今朝、私の住むサン・ジョヴァンニ・ヴァルダルノの町の大聖堂前広場では、動物たちの授福式が行われました♪
この授福式、キリスト教の大アントニオ聖人にちなんでの儀式。 アントニオ聖人と言えばもう一人、北イタリアの「パドヴァのアントニオ聖人(sant'Antonio di Padova)」もいるため、二人のアントニオ聖人を区別するためこちらエジプト出身のアントニオ聖人は「エジプトのアントニオ聖人」、もしくは「大アントニオ聖人(Sant 'Antonio abate)」と呼ばれています。 この大アントニオ聖人は家畜動物の守護神として有名です。 この守護聖人の日1月17日の近辺、各地でこの「動物たちの授福式」が行われます。 私の住む町では、例年1月17日のあとに来る日曜日にこの式が行われるため、今年は昨日23日に行われました。 上の大アントニオ聖人の宗教画の中にもブタが見られますが、この聖人、ブタを居住区で飼育する許可を与えたことで有名です。そのブタたちは居住区を首に鈴を付けて自由に歩き回ることができたそうです。 このブタたちから取れる油は帯状疱疹の治療に使われたため、ブタたちの養豚費も公共費からまかなわれていたそうです。 この「帯状疱疹」、燃えるような痛さがある病気として、イタリアではこの病気の名前を「fuoco di Sant'Antonio (アントニオ聖人の火)」と呼びます。 初めてこの病名を聞いた時は、「何で聖人の名前が病気と関係あるの?」と思ったのですが、こういう逸話があったと知ってとっても納得。 大アントニオ聖人は動物の守護神であると同時に火の守護神でもあります。 ちなみにこの大アントニオ聖人、西暦251年頃にエジプトに生まれているのですが、亡くなったのは356年ということ。 なんと105歳まで生きたそうです! すごい長寿ですね。 私は昨年までは日曜日はいつも働いていたため、今まで一度も参加することができなかったのですが、今年からは日曜日にお休みをもらえることとなったので、昨日は念願かなって初めて参加してきました♪ 行ってみるとスゴイ人と犬たち。 カミッロもさっそく犬たちと交流。 犬の他、籠に入れたネコや鳥を連れてきている人もいて、ウサギを抱いている女の子が私たちの隣にいたので写真をパチリ♪ 他にも広場の中にはたくさんの馬やそのほかの動物たちが♪ でもたくさんの動物に囲まれ、嬉しさ越してちょっとフクザツ。。。 このあと、教会の窓から神父先生が動物たちを祝福してくれました。 そして子どもたちに風船が手渡され、その風船をお祝いのあとに空に放ちました。 飛ぶ飛ぶ・・・。 こうして式が終わり一同帰路へ。 帰り道、またもや犬・犬・犬・・・。 みんな健康でいい子でまた一年後に会いましょう! #
by tokogiappone
| 2011-01-24 06:27
| イタリア豆知識
私の夫アンジョロはキノコ探しが大の趣味。
「彼=きのこ」・・・といっても良いほどきのこ狩りは彼の一部です。 今年もキノコのシーズンが開幕しました! 数年前に何度か記事にしたことがあるので、すでにご存知の方もいると思いますが。。。 その名も「ドルミエンティきのこ」です♪ イタリア語にある「 Dormire(ドルミーレ)=眠る」と言う言葉。 そこから採られた属名「ドルミエンティ」で「眠りきのこ」。 寒い冬の森の中、土の下で(グーグー眠りながら?!)成長します。 表面上にも顔を出しますが、黒っぽいキノコの傘の色と、土や石の色とが同化して、生える場所を知らないと、なかなか見つけるのが難しいキノコです。 これは今年第一号の収穫! まだまだほんの少しの量ですが、我が家に新しいシーズン明けの香りを運んできてくれました♪(笑) 去年は豊作の一年だったので、今年も去年に続き豊作の年になってくれたらなぁ~~~。」と願っています♪ #
by tokogiappone
| 2011-01-23 06:39
| きのこ Funghi
バカンスの話を引きずっておりますが、できるだけ早く完結できるように頑張ります!
ソレントを拠点に周ったカンパーニア地方観光。 前日のハードな遠足の翌日、「足の筋肉痛はどうかな・・・?」と恐る恐る起床しましたが、以外にもちょっとだるい程度。アンジョロは「ぜんぜん大丈夫だ!!!」(本当か・・・疑)と言うし、「無理のないような日程で・・・」と言うことで、ポンペイ遺跡の観光に出かけました。 「ポンペイ遺跡へは列車での旅が便利♪」・・・と聞いていたので私たちも列車で行くと、言われていた通り駅のすぐそばに遺跡が♪(^_^) こんな単純なことでもちょっとした幸せを感じてしまいます。 さっそく入場。 実は私は15年前、母とツアーでイタリアへ来た時にすでにポンペイは見学したことがありました。 でもその時はまだイタリア語も歴史も文化もほとんど知らずにただ見たのみ。 「イタリア人にして始めて今回ポンペイを訪れた夫アンジョロにもじっくり見てほしい」・・・との思いから、アンジョロを説得してオーディオガイドを借りて観光することにしました。 私が窓口に借りに行くと、パンフレットの地図を渡され、「ここからコースを選んで周ってください。主要なものだけを手早く見たい方お薦めの2時間コース、少しじっくりの4時間コース、じっくり見学の6時間コースがあるので、この表を参考に周ってください。」・・・とのこと。 「6時間コース」と言うのを言われた時は「またまたご冗談を・・・」と思わず笑ってしまった私。 そして笑顔で「私たちの窓口は午後5時までですので、その時までに戻ってきてくださいね。」とのつけたし。 その時まだ午前10時。 「まさか~、そんな時間まで周らないですよ~。。。」とまたまた苦笑い(^_^;)をしながらお別れしていざ出発。 ************** 「まぁ何の義務もないんだからゆったりと周ろう!」といって入場した私たちですが、地図を片手にガイドを聞きながら見学してると、ついつい「次はここも、ついでにあそこも・・・」と「とりあえず見ておこう」欲望がムクムク(>_<)。 結局約5時間も見学してしまいました。。。(汗) ポンペイに住んでいたら、何度でも足を運んでしまいそうなくらい惹き込まれた遺跡たち。 オーディオガイドのお陰で 西暦79年、今から1930年前にベスビオ火山の噴火によって灰の下に埋まってしまった古代都市ポンペイ。 歴史に疎い私でも、ガイドを聞きながら周ることで、かつての都市の様子が脈々と感じられ、とても楽しい見学となりました(広場の奥に見えるのが、ベスビオ火山です)。 ************* 特に心に残ったのが「パン屋さん」。 家族経営に数人の従業員を雇ってまかなっていたらしいこのパン屋さん。 売り場がないところから卸売りをしていたのではないかと予測されています。 釜と言い、粉碾き臼、材料倉庫、作業台のあったはずの場所など、働いている様子が眼に見えるようです。 私自身かれこれ7年家族経営のお菓子屋で働いているせいか、なんとなくその中の仕事の雰囲気、気持ちが想像できて、20世紀も前の人たちがとても身近に感じられました。 *************** この人型。 ポンペイに入場してまもなくある広場(Foro) の脇にある 肉屋(Macellum)さん。 ここの一角にこの人型が展示されていました。 噴火による火山ガスによって亡くなった人たちの遺体があった所に空洞ができていることに眼をつけた、当時ポンペイ遺跡の発掘を指揮していたGiuseppe Fiorelli氏。 1860年のことです。 そのできていた空洞に石灰を流し込んでそこで亡くなった人の人型を再現することに成功しました。 その人の苦しみと恐怖が痛いほど伝わってきます。 なんだか、こんな苦しんだ様子の人の写真を撮るのも申し訳ないような気と怖いような気がして、写真を撮れずにいた私・・・ですが、夫がしっかり撮っていたようです。。。(爆) *************** これ、当時のラテン語で「Have」と書いてありますが、今耳にしなれてる言い方では「Ave Maria」の「Ave」です。 この「Ave」、実はラテン語では挨拶の言葉。 「ようこそ」のような意味があるそうです。 このモザイク字、有名な「牧神の家(Casa del Fauna)」の玄関先の入り口に書かれていました。 なんだか当時の人のおもてなしの心を感じて温かい気持ちになりました。 *************** そして中に入ってビックリ! 私が高校時代 その中で、いつも何だか好印象を持って気になって見入っていたのがこのアレクサンダー大王のモザイク画。 まさかこんなところで再会するとは夢にも思っていませんでした♪ 人生わからないものですね。。。 そんなこんなで気がつくとほぼじっくり見学をしてしまっていた私と夫。 カミッロはたくさんのポンペイをうろつく野良(?)犬兼ポンペイ犬に囲まれ、興奮と私たちに振り回されて、「いつになったら帰るの~。。。」目線。 またいつか機会があったらじっくり訪れたいポンペイ遺跡でした♪ #
by tokogiappone
| 2011-01-21 01:01
| バカンス旅行
前日の旅行は結構ハードな一日だったため、翌日の午前中はゆったりとソレントの町を観光をしました。
昼食後もホテルに戻ってちょっと休憩し、午後2時ごろ「今日は無理しないで近郊を観光しようね。」・・・と言って車で出発した私たち。 ガイドブックを頼りに「おすすめ」と書かれているマッサ・ルブレンセ(Massa Lubrense)と言う町に行ってみるも・・・「何もな・・・い・・・んじゃない・・・??? (汗・°_°;)」。。。 気を取り直して地図を見ると、その近郊に「Punta Campanella」と言うのが出ていて、なんとなく気になる・・・と言うことで行ってみることに決定! ・・・が、美しい海辺にたどりつくはずなのに、何故か車は道を登っていってるような気が・・・(?_?;) 通りの人にたずねると「この道をまだずーと行くとありますよ。でも今からじゃちょっと遅いような・・・。。。900メートルぐらい山道を歩かなければならないので。。。」とのこと。 私とアンジョロは「・・・?????」 普段歩きなれている距離を考えると900メートルなんてちょろい距離。 再び車で道を勧めるも道は登っていくばかり、、、。 「車を駐車してそこから歩く」と指定されたテルミニの町に到着。 でもいくら良く地図を見ても、その町から目的地の「プンタ・カンパネッラ(Punta Campanella)」までの間に、標高にして300メートルぐらいの高低差があるように見えるんだけれど・・・。 その近くのベンチにいたおじさんに聞くと、「行きは下りだから1時間ぐらいだけど、帰りは上りだから1時間15分ぐらいかかると思うけれど、いい所だから行っておいで。奥まで行くと階段があるんだ。戦時中にアメリカ人兵によって作られたんだよ。その時のことを僕は昨日のことのように覚えているよ。。。」・・・と遠い目をしながらのご推薦のお言葉が。 そう言われると行かないわけにも行かずいざ出発! しかし、坂道を下れど下れど浜辺はかなり遠くに見える。。。 「これって帰りは登らなきゃないんでしょ・・・。」と多分に不安になりながらも、アンジョロにあわせて歩く私。 夕暮れは凄い勢いで迫ってくるし、山道の脇には農家の家があるのみで、農民のおじさんが時々いる以外誰もいないし・・・。 なんだか凄い大変なことになってる予感がせよ、「何でも始めたらきちんと終わらせるのが好きなアンジョロのため」・・・と心ひそかに愛のための犠牲を誓い一生懸命早足で道を進めました。 そうしてようやく予告どおり約1時間後に浜の上に直角にそびえる灯台にたどり着いた私たち。 「ふぅ~~~~~~~。(汗;;)」 満足感と感動の夕べ。 私たちの到着と同時に、絶壁からダイバーと犬が上がってきました。 その時すでに夕暮れ深し。 帰りの道を考えるともたもたしている時間がありません。。。 私たちは絶壁のぼろぼろ鉄階段を下りていく勇気がなく、ここで満足して引き返すことにしました。 休憩時間もとる余裕なく再び帰り道に向かって出発!!! 今度は「登る・登る・登る・登る・・・・・@_@;;」。 「明日足上がるのか。。。?」と、明日の足のコンディションを考えるだけでもぞっとしていた私。 達成感に浸りながらも、「誰に頼まれてこんなハードな遠足をしたんだ・・・。」と思ってしまいました。 ようやく車に到着した時には、すでに日没。 ホッとひと安心したと同時に、「夕食なんてどうでもいい。。。熱いシャワーを浴びて早く寝たいよぅ・・。。。」と言う気持ちに。 アンジョロにも同意を得て、その日は出来合いの夕食を総菜屋さんで購入してホテルの部屋へ。 晩御飯を食べながらよくよくアンジョロと話していると、「君が行きたがったから僕は頑張ったんだ。」との一言。 「が~~~~ん。。。。。」 「私はアンジョロのためと思って頑張ったんだけど。。。。(#_#)」と言う事実が判明。 お互いに「何でこんなことに」と思いながら犠牲になっていた私たち。。。 そして夕食を食べながらふと部屋の鍵に目をやると、それまで気がつかなかったのですが、、、なんと私たちの部屋、、、「Punta Campanella」と言う名前だったんです。。。。。(爆・・(((*_*;;;)))) #
by tokogiappone
| 2011-01-18 02:23
| バカンス旅行
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